人事制度設計にあたって
実態に即した制度設計
 人事制度は、会社の利益とそこで働く社員の働き甲斐の双方を満足させ、向上させる仕組みにしなければなりません。その仕組みづくりで最も大切なことは、会社の実態にあった制度を作ることです。人事制度は、会社のおかれた内外環境や会社の成長段階によって最適な設計が求められます。
 近年、成果主義人事制度を導入する会社が多くなりましたが、この制度に適している会社とそうではない会社が存在します。安易に会社の実態も踏まえずに導入している会社もあります。米国の企業は元気がいいということで、その真似をすれば自社もよくなると勘違いし、コンサルタントの進めるままに、アメリカ式成果主義人事制度に変えた会社もありました。そんなお仕着せの制度が上手く機能するわけがありません。我々のところにも最近になってそれに気づいた会社から、人事制度の再構築をしてくれないかとの依頼が増えています。時流に流されることなく自社の人材の在り方を的確に捉え、現状と将来展望、企業戦略などを考慮して最適な制度設計を行なうことが肝要です。
メンテナンスの重要性
 人事制度は導入して終わりというものではありません。運用がスムースに行くことが大切です。どんなに立派な整合性のある合理的な制度であっても、上手く機能しなければ何の意味もないのです。導入後の運用をいかに上手く行なうかが鍵となります。そのため制度は、実態に合わせて導入後も手直しをし続けることが求められます。また制度と共ともに経営者や社員の考え方を変えることも求められます。人事制度を変える本当の目的は、意識改革と言ってもいいのではないでしょうか。意識改革によって、利益の上がる働き甲斐のある組織になるように設計しなければなりません。


人事制度の基本的な考え方
総合的な諸制度連動の改革
 人事制度は、等級制度、評価制度、賃金制度、昇格昇進制度、そして能力開発制度の5つの制度によって主に構成されています。これらの諸制度をワンセットで改革することが望ましいです。しかし予算などの問題もありますので、数年かけて段階的に改革に着手する方法もあります。

最近の制度改革の傾向

 最近は、環境変化に対応するためコンピテンシー型役割・成果主義人事制度の設計を手掛けることが多いです。勿論、その企業の経営戦略、成長段階、規模や業種などにより、適正な人事制度というのはおのずと異なりますが、最近の情勢としては、この制度が最も時代に適した制度と評価されています
  ▲人事制度のポイント
また賃金制度においては、年俸制の導入を希望される会社が相変わらず多いです。特に管理職については、業績を反映した洗い替え方式の賃金へ移行しようとする動きが相変わらず続いています。
   ▲年俸制のポイント


コンサルティングモデル
役割・成果主義人事制度の概要

等級制度
 この制度は、企業における人材を役割によって区分し、ランク付けして等級として設定します。また等級ランク毎に、その役割を定義するとともに、職種別等級別にコンピテンシーによって行動基準を定めます。こうして設計した等級制度が役割等級制度であり、これが当人事制度の柱となります。
評価制度
 評価制度としては、自律性を重んじ、貢献度に応じた客観的な評価とするために目標管理制度で行ないます。ただし評価には、コンピテンシー評価も加え、成果と共にその成果を達成するために必要な行動プロセスも評価対象に加えます。
処遇制度
 処遇制度としては、賃金制度が、企業業績を迅速に反映できる半年俸制を取り入れ、昇格制度は、チャレンジ精神を高めた入れ替え方式の抜擢型の昇格制度とします。

 このように当制度は、役割、成果、コンピテンシーの3つの概念を主に取り入れたトータル人事システムとして設計します。
すなわち、役割とは、職務基準の明確化であり、成果とは、結果を重視することであるが、結果さえ出せばそれでよいということを避けるため、成果に至る行動プロセスもコンピテンシーによって重視しています。

役割基準
成果主義
コンピテンシー

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